今日もまたひとり

初めて女性用のシャンプーを使ったのはいつだろう?

 

そしてどのメーカーだっけ?

 

ベッドで横になり、天井をぼーっと見つめながら。そんなことを考えていた。

 

 

 

 

ヴィダルサスーン

 

で、中1の初夏。が正解である。

 

小学生の頃から、髪がものすごく硬くてテンパな私は、人一倍髪の毛には気を遣ってきた。

 

小学生までは適当なのを使い、もろに思春期になると同時にヴィダルサスーンにしたのだ。

 

しかし!中学生の私にはヴィダルサスーンは高かった。

 

シャンプー、リンス、トリートメント、この三種類が発売されており、一本1500円くらいしたこのセットを買うのには苦労した。

 

母に何度も泣きつきなんとか買えた。

 

まず初めてトリートメントなるものを見た。

 

まだ当時トリートメントを家庭用シャンプーで使う世帯は少なかったのではないか?(あくまでも個人の感想です)

 

小学生で床屋に行き、床屋の親父に

 

『ボク、髪硬いねぇー!クシ折れちゃうよ』

 

なんてことはしょっちゅう言われてて、内心傷ついていた。

 

だから私のサラサラヘアーのセンター分けへの憧れは半端なかった。

 

美容室に行きはじめたのも中1。

 

スラムダンクの漫画を持っていって、「この髪型にして下さい」と頼んだものだ。

 

その都度、美容師に『これ漫画だからね~』などと言われたが、当の本人は本気なのだ。

 

髪型ひとつで、学校へ行くか、休むか位のテンションが変わってくる。

 

美容室で思い出したが、大人になった今、かれこれ10年くらい1000円カット理容室に通っている。

 

美容室は、カットだけでも最低5000円はする。

 

私の食費一週間分に相当。

 

それではいつになってもお金は貯まらない。

 

いつの日からか普通に1000円カットに通うようになった。

 

正確に言えば1300円なのだ。

 

不況の波は1000円カットまで押し寄せ、仕方なく300円値上げしたのだ。

 

値上げした分サービスはいいか?

 

と言うと変わらない。

 

1000円カットの理容師にはプライドがない。

 

しかし、要らぬこだわりがある。

 

バリカンだけで切り倒していく者や、一切水を使わない者。

 

終わりにはシャンプーの代わりに、業務用の掃除機みたいなので、髪くずを吸いとられる。

 

吸い込みの力が強いので、首持っていかれそうになる。

 

10代の私は、女子にモテる為に美容室に行きあらゆる努力をした。

 

40代の今の私は、スーパードライを片手に砂ギモを食べる。女子ウケ無視へと変わった。

 

でも人生わからないものだ、

 

まいばすけっとの返り値に、美女が坂道の上からオレンジを大量に落とし、拾ったついでにお礼でも。なんて言われて恋が始まるかもしれない。

 

その時その美女からヴィダルサスーンの香りがしたら、間違いなく私の運命の人だ。

 

 

ではー。