真夜中のSEIYUはネパーランド

深夜2時30分、そう私はひとりSEIYUにいた。

 

ここのSEIYUは町の中心部に存在していて、たぶん、いやきっと皆のスーパーマーケットとして呼吸している。

 

ただいまニートな私は時間を持て余してる。

見事なまでに昼夜逆転の生活は、一時的でも社会からドロップアウトした格好になっている。

 

だから私は深夜2時30分にSEIYUで買い物してても、ちっとも可笑しくないのだ。

 

だいたいブログ始めます!宣言したのが1月の終わり。元旦に掲げた目標は一年間ぼーっとする。

 

だった。

 

しかし、『ぼーっとする事ほど難しい物はないな』

と感じたのだ。またしても私は、

 

プロの落ちこぼれにもなれずにいるのだ。

 

なんとなく始めたブログ。本当にきっかけはなんとなく。

 

この行為だけが今の私に私ができることなのだ。

 

言い忘れたが、ここは24時間営業の東京のSEIYUのお話しだ。

 

なぜSEIYUに行くのか?

 

『そこに山があるから』

 

の心境に近い。

 

 

私の今のメンタルはだいたい夜に調子よくなる。

 

終電間際のSEIYUは混んでいることが多い。

 

夕方、終電、この時間帯が主に混む。

 

だが終電の時間も過ぎれば、夜を愛する眠れぬ子羊たちの広場となる。

 

私もまぎれもなくその一匹なのだ。

 

しかし、夜中のスーパーは独特な空気を漂わせている。

 

深夜だというのに、店内放送で流れる芸人のゆってぃのハイテンションな商品紹介。

 

ただ時間帯だけが深夜なのであって、一歩SEIYUの扉を開けばそこは光のネパーランドなのだ。

 

また、この時間帯に買い物しているお客のジャンルもまちまちだ。

 

文句をいいながらウィンナーをカゴに入れている、長渕みたいなおじちゃん。

 

ガールズバー終わりなのか、香水をぷんぷんさせながら値段きにせずカゴに商品を入れていくお姉ちゃん。

 

酒を大量に買い込む男女グループ。

 

まさにまちまちである。

 

こんな広いスーパー、さぞかし万引きGメンも大変だろうな~なんて思う。

 

だいたい時間帯が悪いのか、お肉コーナーなどはほぼ買い漁られた後となっている。

 

何故だか挽き肉だけはいつもある。

 

ともあれ、お肉を買うなんて私には贅沢すぎる。

値下がったお肉を狙おうと思ってみたが、それらも買われた後なのだ。

 

だからいつも納豆、もやし、豆腐、など安くてヘルシーな食品ばかり買ってしまう。

 

なのに太ってゆく。

 

たまにはステーキ肉でも買いたい所だが我慢である。

 

3時にもなろうかとすると、新しく食品を並べ替えの作業をスタッフが始めたりする。

 

『あぁ、そんな時間か、』

 

独り言をもらす。

 

こうしてもやし、納豆、豆腐、牛乳、発泡酒をカゴに入れ、一階のセルフレジへと向かう。

 

ルフレジでテンポ良くバーコードをスキャンさせていく。

 

酒を購入しようなら『ただいま係員が参ります』とレジが言うんだが、スタッフが近くにいない時は自分でスタッフを探して、「すいませーん」と言わなきゃいけない。

 

こうして私は深夜のSEIYUという、光のネパーランドを後にするのだ。

 

くれぐれも『家につくまでが買い物だからな!』

 

小学校時代の先生の声が聞こえてきそうだ。