雨の二子新地

どうも孤高のブロガーNANAです。(自分で言っちゃう)

 

私には姉がいる。

 

もうかれこれ10年は会っていないんじゃないかと思う。

 

だから姉は私が躁鬱病になってることも、

私がぶなしめじにハマっていることも知らないはずだ。

 

なぜ10年も会ってないのか。

 

仲が悪いだけではないだろう。

 

姉は40代だか、65~70歳くらいの愛人がいるのだ。

 

そのことは母から聞いていた。

 

だが、実家という実家もない私たち家族は皆がバラバラに住むようになり、その結果姉と疎遠になってしまったのだ。

 

姉と最後に一緒に暮らしたのはかれこれ20年前くらい。

 

二子新地と言う町で家族3人で暮らしていた。

 

姉と仲が悪いと言ったが、私の成長期における、姉からの影響は大きかった。

 

姉はジュンスカ世代だ。

 

だからバンドブームをもろに影響うけて育っている。

 

だから私は姉から渡されるカセットテープ(後にCDになるが)を渡されて

 

『研究しろ❗』

 

と訳もわからないことだが、何も知らない無垢な私は当時のバンドブームの波に乗ったとされる、グループの曲を聴いて育った。

 

そんな姉とは中学生くらいまでは話していたが、私が高校生になる頃には会話もなくなり、姉と触れあう機会もなくなった。

 

これを書いている今も、姉の居場所も携帯もしらない。

 

母から最後に聞いたのは、愛人のおじさんは秋田県出身で歯がなくて、姉と一緒に酒を大量に飲んでる。

 

姉は40代にしてアル中で歯がない。

 

強い酒ばっかりのんで、ろくに歯も磨かない内に溶けたのそうだ。

 

コロナ禍の前から、マスクをしてて、夏でもマスクをしてたからギョロギョロ変な目で見られたそうだ。

 

きっと姉のアル中は治ってない。

 

だが、最後に一緒に暮らした時、思い返せばもっと姉と話しとくべきだったな。と後悔している。

 

きっと姉にも理由があってアルコールに手をつけたのだろう。

 

その悩みを少しでも聞いてあげれればアル中にもなってなかったかも知れない。

 

そんな姉だが、破天荒と天然が混ざっている。

 

ある冬の日、私はタバコが無くなったついでにセブンイレブンに行こうとした。

 

姉は惚れっぽいのだ。

 

当時まだ姉には歯があり、愛人もいなかった姉はそのセブンイレブンのイケメンバイト君に想いを寄せていた。

 

私がセブンに行くと言うと、『あの人いるか見てきて❗』

 

と言うのだ。

 

その日は雨が降っていた。私は傘をさして小走りでセブンに向かった。

 

レジ横のお惣菜コーナーの物を注文して、お会計を済まそうとした時、姉がセブンに入ってきた。

 

その日のセブンイはやたらと床が丁寧にモップがかけられていて、滑る。

 

姉はきっとイケメンバイト君が気になったのだろう。

 

私が居れば自然とセブンで振る舞える。

 

そう思った姉の思いとは裏腹に、姉はセブンのドアを開けて私に近づこうとした際に、おもいっきりスライディングをしてしまったのだ。

 

つるーっと滑り、そのスライディングはレジまで足が届くほどだった。

 

姉は野球の教科書通りのスライディングを見せた。その日運悪くスカートを穿いていたから、パンツ丸見えの格好となった。

 

転んだ姉を起こして私たちは足早にセブンを後にした。

 

それが姉との最後のエピソードだ。

 

ではー。